アルコールチェック義務化の全体像
2023年12月施行以降の対応について

投稿日：2025-09-01

2023年12月から施行された「白ナンバー事業者に対するアルコールチェック義務化」。 これにより、営業車や配送車など、業務で社用車を使う事業者にもアルコール検査の実施と記録管理が法令で義務づけられるようになりました。
「うちはたいした台数を使ってないから関係ない」と考えている方は要注意です。本記事では、制度の背景から実務に必要な対応まで、全体像をわかりやすく解説します。

義務化の背景：社会的な安全意識の高まり

2022年以降、業務中の飲酒運転による死亡事故や、検査未実施による行政処分が相次ぎ、社会問題となりました。
2025年3月には、日本郵便の委託配達員がアルコールチェックをせずに運転していた問題が発覚。管理者側となる企業の責任が強く問われるようになっています。

対象となる事業者とは？

道路交通法上の「白ナンバー車」を5台以上保有（原付を除く）

義務の内容は？

1. アルコール検査の実施
・毎日、乗務前と乗務後の2回、運転者に対してアルコールチェックを実施
・実施者は「安全運転管理者」または補助者
2. アルコール検知器の使用
・検知器を用いたチェックが原則義務化
・故障や不具合の場合でも、別の方法（目視等）で対応し記録が必要
3. 記録の保存
・チェック日時、検査方法、結果、実施者などを記録
・記録は1年間保存が義務

違反した場合の罰則は？

現在は直接的な罰則は設けられていませんが、違反が発覚した場合は、

実務対応のポイント

1. チェック体制の整備
・誰が、どのタイミングで、どのようにチェックするかを明確にする
・欠勤・出張時の代替体制も決めておく
2. アルコール検知器の選定
・記録機能・履歴管理・クラウド連携ができるタイプが便利
・国交省・厚労省が定めるガイドラインに準拠しているものを選ぶ
3. 記録のデジタル管理がおすすめ
・紙管理は紛失・改ざんリスクがある
・クラウド型システムなら記録の信頼性・検索性も高い