クラウド管理データをどう活かす？
改善事例5選

投稿日：2025-09-01

クラウド型の車両管理システムを導入すると、「走行距離」「アルコールチェック結果」「急ブレーキの回数」など、さまざまなデータが蓄積されます。
しかし実際には、「せっかくデータがあるのに活かしきれていない」「日報が電子化されただけで終わっている」という声もよく聞かれます。
この記事では、はじめて導入した企業でも実践できるデータ活用の具体例をご紹介します。

事例1：急ブレーキ・急加速データで安全指導を“見える化”

【企業が抱えていた課題】
ある運送会社では、安全運転指導に対し、ドライバーからの反発が強く、なかなかきいてもらえないという課題がありました。
【データを活かす】
クラウド管理で得られる「急ブレーキ・急加速」の発生回数や場所をもとに、ドライバーごとに月次スコアをまとめました。これを社内掲示板にランキング形式で掲示することに。
【効果】
・安全運転指導が“感覚”から“データ”へと変わったことでドライバーの納得感が増しました。
・ごまかしがきかなくなったことで、自主的に運転を改善する動きが出てきました。
・安全運転をしているドライバーと、問題の多いドライバーを明確にわけることができ、効率的に指導をおこなえるようになりました。

事例2：稼働率データで車両の“遊休化”を削減

【企業が抱えていた課題】
営業車を10台保有していましたが、「特定の車両だけ稼働が少ない」「本当に10台必要なのかわからない」という状態になっていました。
【データを活かす】
走行距離と稼働時間を集計し、車両ごとの稼働率をグラフ化。低稼働車を共有車両として再配置しました。
【効果】
・車両台数を10台 → 8台に削減できました。
・年間で車両リース費用約60万円のコスト削減に成功しました。

事例3：チェック時刻ログで習慣の乱れを発見し、業務改善へ

【企業が抱えていた課題】
ある企業では、アルコールチェックの未実施そのものは減りましたが、「時間ギリギリで業務に悪影響が出ている」「手続きが雑になっている」といった声が現場からあがっていました。
【データを活かす】
クラウドで蓄積されたチェック時刻のログを週単位で分析。朝のチェック時間帯に「遅れがちな曜日・担当者」を特定し、部署別に一覧表を作成して視覚化しました。
【効果】
・月曜など、特定の曜日に“遅延傾向”が集中することが判明し、その曜日についてはアルコールチェック以外の業務を簡素化しました。
・あわせて、朝の繁忙タイミングが明らかになったことで、必ずしも朝におこなう必要のない業務を別の時間帯で実施するなどし、仕事環境の改善に役立てられました。

事例4：走行ルートの“無駄”を分析して訪問効率UP

【企業が抱えていた課題】
営業スタッフは「最短ルートで回っている」と主張していましたが、実は渋滞時の遠回りやや寄り道など、非効率な走行をおこなっているのでは？という疑念がありました。
【データを活かす】
GPS走行履歴を可視化し、1日あたりの移動距離と訪問件数を分析。地図上で最短ルートとの比較を提示し、営業部門で利用してもらえるようにしました。
【効果】
・無駄な遠回りが解消され、大幅な走行距離削減に。ガソリン消費を減らせた上、1人あたりの訪問件数もアップしました。
・渋滞を避けるために細い路地に進入しているといった、危険な運転を発見し、事前にリスクを軽減することができました。

事例5：修理に追われる前に！データで“賢く”整備スケジュール管理

【企業が抱えていた課題】
車両10台を所有していた企業で、急な修理や突発的な整備費用が悩みの種となっていました。整備や部品交換のタイミングがバラバラのため、どうしても対応が場当たり的になり、コストもかかっていました。
【データを活かす】
クラウドに蓄積された過去1年分の整備履歴（オイル交換、タイヤ交換、故障修理など）をもとに、車両ごとの整備傾向を可視化。部品交換の周期・費用の偏り・突発整備の件数を分析し、整備スケジュールと予算配分を再設計しました。
【効果】
・部品交換のタイミングを前倒しして突発的な故障・出動停止を大幅に減らせました。
・「よく故障する車両」と「優良車両」がデータで明らかに。更新・入替え計画に活用できました。
・年間整備予算のばらつきを平準化でき、会計管理の精度が向上しました。